カント『純粋理性批判』要約
『純粋理性批判』上isbn:4003362535
『純粋理性批判』中isbn:4003362543
『純粋理性批判』下isbn:4003362551
ふと思い立って大学時代のノートを発掘しました。
大学時代は哲学書を沢山読んでいたので、これを要約してブログにアップすれば読み返す時に楽ってもんですよ!
手始めに純粋理性批判から行きます。
つっても構造面だけに着目して、細かいところは省きます。素人(俺とか)が読んで大枠だけ分かっていけるような代物を目指します。
- カント哲学の説明
人間の認識能力を分解してその関連について論じます。
- 認識能力
- 感性
認識能力その1。感じる能力。
物自体を現象として直観する。
時間と空間の形式を持つ。
認知科学では多分もっと形式があるはず。
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- 悟性
認識能力その2。悟る能力。
大量にある現象を一つの概念として認識する。
質・量・関係・様態というカテゴリー形式を持つ。
認知科学では何と呼ばれているのかは知らない。
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- 構想力
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認識能力その2-1。イメージを作る能力。悟性の一部。
感じたものをイメージとして頭の中で再現し、感じたものとの同一性を確認し、イメージを作り上げる能力。
直観と概念を媒介する図式を形式として持つ。
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- 統覚
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認識能力その2-2。まとめる能力。悟性の一部。
「我思う」という機能。これにより大量にある現象を「我思う」として一つにまとめ上げる。
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- 理性
認識能力その3。論理づける能力。
大量の判断を元に推論し論理体系を作る。
判断の中には経験と関係ない概念のみのものもあり、気をつけないと経験の論理と概念の論理がごっちゃになってしまう。
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- 判断力
認識能力その4。純粋理性批判では触れられず、判断力批判で詳しくやるので、ここでは扱わない。
- 認識
- 物自体
認識の外にあるもの。
感性によって現象として認識できるが、感性なしには何も分からない。
心のない世界では一体どんな物自体があるのだろう? それは誰にも分からない。
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- 現象
感性が物自体を感じたときの認識。いわゆる感覚。
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- 経験
感性の直観を悟性が概念にまでまとめ上げた時の認識全体。
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- 判断・反省
「これは何だ」「あれがどうした」という文章的思考。悟性の機能。
経験によって導き出されるものを総合判断、悟性の概念だけで導き出せるものを分析判断と呼ぶ。
- 全体図
- まず物自体がある
- 感性が物自体を現象として直観する
- 構想力・統覚が直観をまとめあげて悟性の概念にする。これが経験である
- 悟性は経験や、経験と関係ない概念について、文章的思考を行う。これが判断・反省である
- 理性は判断の内容を推論し論理体系を作る