読書

クリストフ・コッホ『意識の探求』要約(6)まとめ

●コッホのモデルのまとめ 少なくともこの本の記述をまともに解釈すると、以下のようになります。 ・視覚の主経路は物体認識を司る腹側視覚路と、空間認知を司る背側視覚路があり、それぞれ前頭前野腹外側部と前頭前野背外側部につながっている。これらは後で…

クリストフ・コッホ『意識の探求』要約(5)コッホのモデル(NCC以後)

●NCC以後 NCC以後の機能についても論じられています。これを図示すると、以下のようになります。

クリストフ・コッホ『意識の探求』要約(4)コッホのモデル(前頭前野以後NCC以前)

●前頭前野以後NCC以前 さて、いざ前頭前野まで来たので、前頭前野の各種機能の話になります。とりあえずこの本のテーマである意識的知覚機能・NCC構造のところまでを図示すると、以下のようになります。

クリストフ・コッホ『意識の探求』要約(3)コッホのモデル(前頭前野以前)

○コッホのモデル ●前頭前野以前(略図) 先ほど説明したように、前頭前野以前には視覚系の二つの主経路と、一つの副経路があります。また、この本では嗅覚についても少し触れています(聴覚触覚味覚の記述はほぼなかったはずです)。 これを図示すると、以下…

クリストフ・コッホ『意識の探求』要約(2)特徴的な概念

○コッホ説における特徴的な概念 ・意識 さて、いよいよ本題に入ります。 前述の通り、コッホは意識をある種の記憶保持と、それに基づく問題解決能力として捉えています。質感・クオリアの話は置いておいて、意識を外から見たら、「意識して行動する」という…

クリストフ・コッホ『意識の探求』要約(1)前置き

(2016/7/2 図を縦置きにして文字を「ほんの少しだけ」見やすくしました。その他微修正有)意識の探求―神経科学からのアプローチ (上)作者: クリストフ・コッホ,土谷尚嗣,金井良太出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/06/28メディア: 単行本購入: 2人 ク…

ヒース『ルールに従う』要約その3

○その他のいろいろ

ヒース『ルールに従う』要約その2

○メインのいろいろ

ヒース『ルールに従う』要約その1

ヒース『ルールに従う』のことを知ったのは、Twitter上でのことでした。 しばしば、互恵的利他主義=助け合いが道徳のコアであるという主張がなされます。ですが、この本の説明で、「チンパンジー等の互恵的利他主義は、人間的な道徳の特徴である広範な協力…

「脳と意識の地形図」要約

ビジュアル版 脳と意識の地形図―脳と心の地形図〈2〉 今まで意識に関する本を何冊か紹介してきましたが、これもそういった本の一つです。

田中久美子「記号と再帰」要約

記号と再帰: 記号論の形式・プログラムの必然 記号論を勉強しようとするプログラマ(どんだけ狭いんだ)にはオススメな本(その他の人にはどうだろう)。

「人類進化の700万年」要約

人類進化の700万年 (講談社現代新書) 「人間性、人間らしさって何だろう?」「人間を構成している要素、人間とは中立な要素、人間に固有の要素って何だろう?」ということを追及するためにここしばらく読書していますが、これもその一環です。 この本の特徴…

NHKスペシャル取材班「ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか」要約

ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか 人間らしさとは何か? ということを、ヒトが生まれた後の歴史を通じて読む本です。 「始まりの」人間らしさが分かると言う訳ではありませんが、「その後の」人間らしさを理解するのにはいい本です。 ヒトが生まれてか…

ガザニガ「人間らしさとはなにか?」要約その2

要するに、ヒトを構成している要素と、ヒトと中立の要素と、ヒト固有の要素とは、いったい何なのか? 基準は三つ。 即ち、類人猿にあってヒトに(初期から今まで一貫して)ある要素は、ヒトを構成している要素。 類人猿にあるが、初期のヒトになく、今のヒト…

ガザニガ「人間らしさとはなにか?」要約その1

人間らしさとはなにか?―人間のユニークさを明かす科学の最前線 マイケル・S・ガザニガといえば分離脳患者(手術上の理由で右脳と左脳の間の脳梁を切り離した患者)の研究者であり、神経倫理学というジャンルの第一人者であり、神経科学の指導的存在の一人で…

山鳥重「「わかる」とはどういうことか」要約

「わかる」とはどういうことか―認識の脳科学 (ちくま新書) 記憶、理解について書かれた本。

『ミラーニューロンと心の理論』要約

ミラーニューロンと“心の理論” 人間にはミラーニューロンやそれに類似したミラーメカニズムがあり、これで他者の運動や感情と共鳴する、という話は今までしてきたと思います。 この本は一歩進んで、身体性と運動・感情の関係に踏み込みます。あれ? これどこ…

ミラーニューロン系の本の要約

ミラーニューロン: 運動、コミュニケーション、情動、対人能力、好み、意図に関わり、無意識に相手を模倣するミラーニューロンが存在する。 ミラーニューロンは、認知作業なしで、他人が実行した目的指向の動作、意図を理解できる。 運動: ミラーニューロ…

イアコボーニ「ミラーニューロンの発見」要約

ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) この本では、ミラーニューロンは運動のみならず、さまざまな機能を模倣していることが示されます。 また、ミラーニューロンを制御・調整して自己意識を成り立…

リゾラッティ&シニガリア「ミラーニューロン」要約

ミラーニューロン 他人の目的指向的な行動を、認知なしで理解できる、便利な細胞、ミラーニューロンについての話。 これが動作やコミュニケーションや情動を模倣させるという。

ダマシオの著作三部作のさらなる要約

簡単に書くとこういう感じ。 「情動」:身体的な反応。怖いと心臓がどきどきするし、怒ると反撃する。 「感情」:心的な反応。情動によってイメージが発生し、イメージの力で、関係する知覚や記憶を統合し、注意を向ける。 「中核意識=中核自己」:感情がよ…

ダマシオの著作三部作の要約

情動 ここに対象があるとする(知覚・記憶いずれでもよい)。 これにより対象のイメージが生じる。また、神経部位が活性化し、外から観測できる情動が生じる。 この本において情動とは、何らかの身体的刺激やイメージに対する反応を意味する(イメージが必要…

ダマシオ「感じる脳」要約

感じる脳 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ ダマシオの著作三部作の最後。「情動、感情とソマティック・マーカー、社会的意思決定、社会的推論とはどういう関係にあるか」「情動、感情と二つの意識はどういう関係にあるか」に続いて、「情動、感情とは…

ダマシオ「デカルトの誤り」要約

デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳 (ちくま学芸文庫) 身体と情動・感情と推論・意思決定と社会的慣習・倫理的構造の関係を説いたダマシオの著作。 著作三部作の第一部にあたる。

ダマシオ「無意識の脳 自己意識の脳」要約

無意識の脳 自己意識の脳 我々は感情や情動をバカにしがちだが、実は認識能力全般においてデカイ位置を占めているのだというアントニオ・R・ダマシオ先生の本。 著作三部作のうちの第二部にあたる。

脳の本いろいろのまとめ

脳の科学史 フロイトから脳地図、MRIへ 角川SSC新書 (角川SSC新書) 脳 回路網のなかの精神―ニューラルネットが描く地図 図解入門よくわかる最新「脳」の基本としくみ (How‐nual Visual Guide Book) ぜんぶわかる脳の事典―部位別・機能別にわかりやすく…

「脳 回路網のなかの精神」要約

脳 回路網のなかの精神―ニューラルネットが描く地図 ヒトのニューロンネットワークを通じて精神を読み解く本。主に学習・想起・記憶について論じている。 この本で一番重要なのは、「ヒトは論理的に概念を操作して考えている訳ではなく、統計的にパターンを…

「脳の科学史」要約

脳の科学史 フロイトから脳地図、MRIへ 角川SSC新書 (角川SSC新書) 脳科学の本。今俺の興味は脳の部位の地図と、そのどこがどういう順番で発達するかということなので、正に今こういう本が必要とされていたということなのだろう。 これと一緒に買った…

ハイデガー『存在と時間』要約

『存在と時間』1isbn:4121600517 『存在と時間』2isbn:4121600533

サルトル要約

『サルトル』isbn:448008794X 『実存主義とは何か』isbn:4409030426 あくまで両方とも初心者向けの本なので要注意。