リゾラッティ&シニガリア「ミラーニューロン」要約

ミラーニューロン
ミラーニューロン


他人の目的指向的な行動を、認知なしで理解できる、便利な細胞、ミラーニューロンについての話。
これが動作やコミュニケーションや情動を模倣させるという。


運動ニューロンの中には視覚等と連携するニューロンがあり、さらに他人の行為を見ると、運動しているときと同じように発火するニューロンがある。これをミラーニューロンと呼ぶ。
ミラーニューロンは、認知作業なしで、他人が実行した目的指向の動作を理解できる。行為や状況に比べ、両者がそろって意図が分かるときの方が活動は盛んである。
ミラーニューロンは「つかむ」「持つ」「いじる」など特定のタイプの行為で分類される。
ミラーニューロンには動作ミラーニューロンコミュニケーションミラーニューロン情動ミラーニューロンなどがある。
模倣による学習には、模倣する促進機能模倣しないようにする抑制機能両方が必要になり、抑制機能を担当している部位が存在する。
口-顔コミュニケーションの段階では、発声は情動的な意味しか持たなかったが、初めは腕-手ミラーニューロンジェスチャーにより、のちには話し言葉ミラーニューロンが発達することによって、ヒトのコミュニケーション能力が出現し進化した。
情動にもミラーニューロンがあり、他者の情動的な行動のおかげで、個々の人間が脅威や機会にうまく対応できるだけでなく、絆を作って強めることができる。