140心理学

クリストフ・コッホ『意識の探求』要約(6)まとめ

●コッホのモデルのまとめ 少なくともこの本の記述をまともに解釈すると、以下のようになります。 ・視覚の主経路は物体認識を司る腹側視覚路と、空間認知を司る背側視覚路があり、それぞれ前頭前野腹外側部と前頭前野背外側部につながっている。これらは後で…

クリストフ・コッホ『意識の探求』要約(5)コッホのモデル(NCC以後)

●NCC以後 NCC以後の機能についても論じられています。これを図示すると、以下のようになります。

クリストフ・コッホ『意識の探求』要約(4)コッホのモデル(前頭前野以後NCC以前)

●前頭前野以後NCC以前 さて、いざ前頭前野まで来たので、前頭前野の各種機能の話になります。とりあえずこの本のテーマである意識的知覚機能・NCC構造のところまでを図示すると、以下のようになります。

クリストフ・コッホ『意識の探求』要約(3)コッホのモデル(前頭前野以前)

○コッホのモデル ●前頭前野以前(略図) 先ほど説明したように、前頭前野以前には視覚系の二つの主経路と、一つの副経路があります。また、この本では嗅覚についても少し触れています(聴覚触覚味覚の記述はほぼなかったはずです)。 これを図示すると、以下…

クリストフ・コッホ『意識の探求』要約(2)特徴的な概念

○コッホ説における特徴的な概念 ・意識 さて、いよいよ本題に入ります。 前述の通り、コッホは意識をある種の記憶保持と、それに基づく問題解決能力として捉えています。質感・クオリアの話は置いておいて、意識を外から見たら、「意識して行動する」という…

クリストフ・コッホ『意識の探求』要約(1)前置き

(2016/7/2 図を縦置きにして文字を「ほんの少しだけ」見やすくしました。その他微修正有)意識の探求―神経科学からのアプローチ (上)作者: クリストフ・コッホ,土谷尚嗣,金井良太出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/06/28メディア: 単行本購入: 2人 ク…

「脳と意識の地形図」要約

ビジュアル版 脳と意識の地形図―脳と心の地形図〈2〉 今まで意識に関する本を何冊か紹介してきましたが、これもそういった本の一つです。

NHKスペシャル取材班「ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか」要約

ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか 人間らしさとは何か? ということを、ヒトが生まれた後の歴史を通じて読む本です。 「始まりの」人間らしさが分かると言う訳ではありませんが、「その後の」人間らしさを理解するのにはいい本です。 ヒトが生まれてか…

ガザニガ「人間らしさとはなにか?」要約その2

要するに、ヒトを構成している要素と、ヒトと中立の要素と、ヒト固有の要素とは、いったい何なのか? 基準は三つ。 即ち、類人猿にあってヒトに(初期から今まで一貫して)ある要素は、ヒトを構成している要素。 類人猿にあるが、初期のヒトになく、今のヒト…

ガザニガ「人間らしさとはなにか?」要約その1

人間らしさとはなにか?―人間のユニークさを明かす科学の最前線 マイケル・S・ガザニガといえば分離脳患者(手術上の理由で右脳と左脳の間の脳梁を切り離した患者)の研究者であり、神経倫理学というジャンルの第一人者であり、神経科学の指導的存在の一人で…

山鳥重「「わかる」とはどういうことか」要約

「わかる」とはどういうことか―認識の脳科学 (ちくま新書) 記憶、理解について書かれた本。

『ミラーニューロンと心の理論』要約

ミラーニューロンと“心の理論” 人間にはミラーニューロンやそれに類似したミラーメカニズムがあり、これで他者の運動や感情と共鳴する、という話は今までしてきたと思います。 この本は一歩進んで、身体性と運動・感情の関係に踏み込みます。あれ? これどこ…

ミラーニューロン系の本の要約

ミラーニューロン: 運動、コミュニケーション、情動、対人能力、好み、意図に関わり、無意識に相手を模倣するミラーニューロンが存在する。 ミラーニューロンは、認知作業なしで、他人が実行した目的指向の動作、意図を理解できる。 運動: ミラーニューロ…

イアコボーニ「ミラーニューロンの発見」要約

ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) この本では、ミラーニューロンは運動のみならず、さまざまな機能を模倣していることが示されます。 また、ミラーニューロンを制御・調整して自己意識を成り立…

リゾラッティ&シニガリア「ミラーニューロン」要約

ミラーニューロン 他人の目的指向的な行動を、認知なしで理解できる、便利な細胞、ミラーニューロンについての話。 これが動作やコミュニケーションや情動を模倣させるという。

ダマシオの著作三部作のさらなる要約

簡単に書くとこういう感じ。 「情動」:身体的な反応。怖いと心臓がどきどきするし、怒ると反撃する。 「感情」:心的な反応。情動によってイメージが発生し、イメージの力で、関係する知覚や記憶を統合し、注意を向ける。 「中核意識=中核自己」:感情がよ…

ダマシオの著作三部作の要約

情動 ここに対象があるとする(知覚・記憶いずれでもよい)。 これにより対象のイメージが生じる。また、神経部位が活性化し、外から観測できる情動が生じる。 この本において情動とは、何らかの身体的刺激やイメージに対する反応を意味する(イメージが必要…

ダマシオ「感じる脳」要約

感じる脳 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ ダマシオの著作三部作の最後。「情動、感情とソマティック・マーカー、社会的意思決定、社会的推論とはどういう関係にあるか」「情動、感情と二つの意識はどういう関係にあるか」に続いて、「情動、感情とは…

ダマシオ「デカルトの誤り」要約

デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳 (ちくま学芸文庫) 身体と情動・感情と推論・意思決定と社会的慣習・倫理的構造の関係を説いたダマシオの著作。 著作三部作の第一部にあたる。

ダマシオ「無意識の脳 自己意識の脳」要約

無意識の脳 自己意識の脳 我々は感情や情動をバカにしがちだが、実は認識能力全般においてデカイ位置を占めているのだというアントニオ・R・ダマシオ先生の本。 著作三部作のうちの第二部にあたる。

脳の本いろいろのまとめ

脳の科学史 フロイトから脳地図、MRIへ 角川SSC新書 (角川SSC新書) 脳 回路網のなかの精神―ニューラルネットが描く地図 図解入門よくわかる最新「脳」の基本としくみ (How‐nual Visual Guide Book) ぜんぶわかる脳の事典―部位別・機能別にわかりやすく…

「脳 回路網のなかの精神」要約

脳 回路網のなかの精神―ニューラルネットが描く地図 ヒトのニューロンネットワークを通じて精神を読み解く本。主に学習・想起・記憶について論じている。 この本で一番重要なのは、「ヒトは論理的に概念を操作して考えている訳ではなく、統計的にパターンを…

「脳の科学史」要約

脳の科学史 フロイトから脳地図、MRIへ 角川SSC新書 (角川SSC新書) 脳科学の本。今俺の興味は脳の部位の地図と、そのどこがどういう順番で発達するかということなので、正に今こういう本が必要とされていたということなのだろう。 これと一緒に買った…

性格・クロニンジャーの7因子パーソナリティ理論

神経伝達物質や遺伝子や環境と性格の関連を探るクロニンジャーの7因子パーソナリティ理論。 7因子は無意識の気質の4つと意識的な性格の3つによって成り立ちます。 かつては遺伝するものが気質、遺伝しないものが性格と呼ばれていましたが、性格も遺伝すると…

動機付け(欲求)・アルダーファーのERG理論

動機付け(欲求)に関する理論。 長らく教条的に信じられてきたマズローの欲求段階説を実証して再構築したもの。 マズローの欲求段階説の骨子は、欲求には段階があり、 「低レベルのものを満たせば高レベルの欲求が強まる」 というもの。(各段階の内容につ…

情動・プルチックの情動立体

情動に関する理論。 情動の進化論的立場から、基本的情動を8種類に分け、各情動を環状に配置した。 各情動は、中間項や強度によって、さまざまな感情となる。 各基本的情動(強度:大)はだいたい以下の通り。 歓喜(生殖行為をする・所有する) 愛慕(生殖…

『パーソナリティ障害』要約

『パーソナリティ障害』isbn:9784062584142 パーソナリティ障害(人格障害)とは何か? 誰かが(本人または周囲の社会が)それによって苦しんでいるという性格のタイプがあり、これをパーソナリティ障害と呼びます。 矢幡洋という人はパーソナリティ障害の大…

『心とことばの起源を探る』要約

『心とことばの起源を探る』isbn:9784326199402

『性格の評価と表現』要約

『性格の評価と表現―特性5因子論からのアプローチ』isbn:464108582X 現在の心理学のうち、性格に関する主流な説である 特性5因子説(ビッグファイブ)について説明した本。 特性5因子説について簡単に説明すると、 人間の性格は2つの極を持つ5つの軸にまとめ…

『脳と気持ちの整理術』要約

『脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める』isbn:4140882506