イアコボーニ「ミラーニューロンの発見」要約

ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)


この本では、ミラーニューロンは運動のみならず、さまざまな機能を模倣していることが示されます。
また、ミラーニューロンを制御・調整して自己意識を成り立たせるスーパーミラーニューロンについても語られます。
刺激的なところとして、ミラーニューロン(模倣)と現在の制度(自由意思)の不整合性がもたらしている現在の問題(暴力、薬物使用)についても語られます。


運動(運動、道具使用)、コミュニケーション(身振り、音、言語)、情動(感情、表情、顔、共感)、対人能力(相互依存性、対人能力、心の理論)、好み意図に関わり、無意識に相手を模倣するミラーニューロンが存在する。
また、自己意識に関わり、他者より自己の行動に強く反応しミラーニューロン制御・調整する頭頂弁蓋(身体認識の部位)および前頭葉スーパーミラーニューロンも存在する。
このような自己認識能力=鏡像認識能力は豊かな社会背景、(自分自身を見出せるような)他者の存在が決定的な要因になっている。
実際の社会においては、暴力や薬物使用も模倣されるため、自由意思を前提とした社会設計には重要な見直しが迫られている。