『性格の評価と表現』要約
『性格の評価と表現―特性5因子論からのアプローチ』isbn:464108582X
現在の心理学のうち、性格に関する主流な説である
特性5因子説(ビッグファイブ)について説明した本。
特性5因子説について簡単に説明すると、
人間の性格は2つの極を持つ5つの軸にまとめられる、
というものです(本当はもっと細かい)。
P163-164の「表7-4 性格特性ファセット3水準と日本語版ACL項目群」を、
ここに載せておきます。
これで、いわゆる「○○な人」の体系的な位置づけができるはずです。
ファセットとは部分尺度で、この場合の3水準とは個人的意識水準・対人行動水準・
社会的評価水準とされています。これで著者は完備的な分類ができると主張します。
また、以下の分類は、アメリカの老人の性格特性研究から生まれた性格テストNEO-PI-R、
日本語版ACL(単極性の形容詞によるチェックリスト)の項目をそれぞれ書いています。
NEO-PI-Rのファセットは6つあるのですが、これを著者は3つに振り分け可能としています。
なお、2つの極があるので、日本語版ACLでは(-)で極を表しています(+は省略)。
情緒不安定性(N)
意識
- NEO-PI-R
- 自意識
- 不安
- 日本語版ACL
- 悩みがち
- 不安になりやすい
- 心配性な
社会
- NEO-PI-R
- 傷付き易さ
- 敵意
- 日本語版ACL
- 傷つきやすい
- 神経質な
- 情緒的に安定した(-)
外向性(E)
意識
- NEO-PI-R
- 興奮
- 温かさ
- 日本語版ACL
- 意欲的な
- 陽気な
- 自発的な
- 内気な(-)
- 地味な(-)
- 内省的な(-)
行動
- NEO-PI-R
- 前向き
- 活動
- 日本語版ACL
- 積極的な
- 行動範囲の広い
- 話好きな
- 活動的な
- ファイトのある
- 意思表示しない(-)
- 無口な(-)
- 無気力(-)
- 引っ込み思案な(-)
- 恥ずかしがりや(-)
社会
- NEO-PI-R
- 群居
- 実行
- 日本語版ACL
- 社交的な
- リーダーシップのある
- 外向的な
経験への開放(O)
意識
- NEO-PI-R
- 感情
- 空想
- 日本語版ACL
- 鈍感な(-)
- 好奇心が強い
- 独立した
- 興味の広い
社会
- NEO-PI-R
- 価値
- 審美
- 日本語版ACL
- 独創的な
- 多才な
- 美的感覚の鋭い
- 想像力に富んだ