『プロジェクトマネジメント標準 PMBOK入門』要約

『プロジェクトマネジメント標準 PMBOK入門』isbn:4274066150

タルムードや聖書やコーランは百回読めと言うらしいが

プロジェクトマネジメントのガイドラインPMBOKの本を読んでいます。
ザッと見ましたが、やること&考えければならないこと多いのな! 大変です。


でも、実際に何かやる時って、こんなもんだよな。
出来るだけ作業も知識も少なく済ませたいけど、物事は人間に都合よくは出来てないもんだ。
作業や知識をある程度持っていないと、結局もっと多くの作業や知識に追われることになる。
ならば、その「ある程度」は受忍せよ、ということか。


んで、ザザッとメモ。

  • ステークホルダー(関係者)
    • プロジェクト・スポンサー(予算責任。ex.役員)
    • プロジェクト・マネジャー(管理責任。ex.部長)
    • プロジェクトマネジメント・チーム(作業チーム。ex.部、課長)
    • プロジェクト・チーム・メンバー(作業者。ex.担当者)
    • プロジェクト・ステークホルダー(利害関係者。ex.その他部員、社員)
  • プロセス群(やること)
    • 立上げプロセス群(定義・認可)
    • 計画プロセス群(計画作成)
    • 実行プロセス群(作業実行)
    • 監視コントロール・プロセス群(監視・管理)
    • 終結プロセス群(正式受け入れ・終了)
  • 知識エリア(考えなければならないこと)
    • プロジェクト統合マネジメント(管理)
    • プロジェクト・スコープ・マネジメント(範囲)
    • プロジェクト・タイム・マネジメント(期間)
    • プロジェクト・コスト・マネジメント(予算)
    • プロジェクト品質マネジメント(品質)
    • プロジェクト人的資源マネジメント(組織化)
    • プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント(伝達)
    • プロジェクト・リスク・マネジメント(不確定影響要素)
    • プロジェクト調達マネジメント(対外取引)

5W1Hと八何の原則とPMBOKの知識エリア

PMBOKを読み始めた元々の問題意識は、テキパキと作業するための思考の枠組みを獲得するため、というものでした。
作業するだけなら上から言われたことをこなせばいいのですが、出世して上から何か言う段になると、
下にどう作業してもらうかを考えなければなりません。そうしないと仕事が進まないし、下が潰れます。


で、考えなければならないことに関しては、英語圏では『5W1H』が、法律の世界では『八何の原則』があると言われています。
5W1Hは実務の友 六何・八何の原則(5W1H,5W2H,6W1H,6W2H)が国語力,発想力,問題解決力を高める

  • 5WiH
    • when(時期)
    • where(場所)
    • who(人)
    • what(物)
    • why(理由)
    • how(方法)


人が物をどうにかする、というシンプルなモデルです。あと時間・空間と因果関係または目的・手段関係。

  • 八何の原則
    • だれが(主体)
    • だれと(協力者)
    • なぜ(原因・動機・目的)
    • いつ(日時)
    • どこで(場所)
    • 何を・だれに対し(客体)
    • どんな方法で(方法)
    • 何をしたか(行為と結果)


人に関する項目が充実しているところが目を引きます。「だれが」という主体、「だれと」という仲間、「だれに対し」という相手。

  • PMBOKの知識エリア
    • プロジェクト統合マネジメント(管理)
    • プロジェクト・スコープ・マネジメント(範囲)
    • プロジェクト・タイム・マネジメント(期間)
    • プロジェクト・コスト・マネジメント(予算)
    • プロジェクト品質マネジメント(品質)
    • プロジェクト人的資源マネジメント(組織化)
    • プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント(伝達)
    • プロジェクト・リスク・マネジメント(不確定影響要素)
    • プロジェクト調達マネジメント(対外取引)


ザザザッと見た感じ、PMBOKには5W1Hや八何の原則と比べて、いくつかの特徴あります。

  • 時間・空間が、点ではなく、期間・範囲という量的なものであること。
  • 範囲の抽象度が高いこと(作業の範囲は頭の中で図として描けますが、これは物理的な空間ではありません)。
  • 因果関係の詳細化。
    • 前提としての予算。何か利用できる資源があり、それを元にして何かする、という発想。
    • 期待される成果物の品質。結果としてどの部分がどうなっているべき、という発想。レーダーチャートのイメージ?
    • 途中で考えうる不確定影響要素。何かいいor悪いことが起こりうる、どう影響しうる、どう対処しうる、という発想。
  • 人に関する項目。
    • 個人間の伝達、集団の組織化は八何の原則に通じるものがある。
    • これに加えて集団外部との対外取引。
  • 目的・手段・行為は管理という形で一本化。
    • 目的や手段が確立して、はじめて行為がプロジェクトの一部として意味を持つ、ということか?


さて、得られる知見は多いけど、これをどうやって小説創作に生かしたものか。先は長い。