勝間和代『効率が10倍アップする新・知的生産術』要約
勝間和代と言えば、『お金は銀行に預けるな』isbn:433403425Xの人ですね。
題名からして「ああ、この人はアンチ・マクロ経済学か。何学派か?」などと思ったものです。
(マクロ経済学では、市場がお金を銀行に預けることを前提として、中央銀行が財政・金融政策をします。
お金を銀行に預けないと、失業率や物価が偏って社会問題になった時に打つ手がなくなります。いいのか?)
なお、内容は読んでないので、これ以上はコメントできません。
で、まあ、この作者にはちょっと「インパクトのあるネタで売るだけの人ではないのか?」という
強い疑念があったのですが(『お金は銀行に預けるな』を読んでいないのはそのせい)、
まあ親から勧められたので、『効率が10倍アップする新・知的生産術』の方は読みました。
(宗教を勧められたら流石に断るけど)
『効率が10倍アップする新・知的生産術』isbn:4478002037
目的
- 情報処理能力を高めることで生産性・収入を上げる
資源
- ノートパソコン
- 良書
- 紙
- 自分の体験
- 人との対話
手段
情報の本質の見極め
- フレームワーク(思考の枠組み)
- 勘
- 失敗経験
- 他人の美点
- やること(TODO)
- やらないこと(not TODO)
- 良質な情報源
インプット
- 事実-解釈-行動フレームワーク
- 何があった-どうなると思った-どうした
- 再現性
- 複数の側面からの取材
- 意見、反対意見、前提etc
アウトプット
生活習慣
- 危険因子の回避(煙草等)
- すき間時間の有効活用
- 睡眠時間の確保
- 体力作り
- 食生活(過食禁止)
人脈
- ブログ発信
- メールアドレス公開
- コミュニティ運営
- オフ会
- 自分自身の情報価値=魅力を高める
行動
- 知識
- 実行
- 定着(うれしい結果を定着させる)
ノートパソコン買ってデータ管理する分には、なかなか便利な本です。
IN/OUTの思考の枠組み、フレームワークも、一つの例として有用なんでしょうね。
勝間氏はコンサルティング企業・マッキンゼーに所属していたので、
そういうフレームワークは大量に体得してきたのでしょう。
多分PMBOKとかQFDとかUSITとかTOCとか、そういうデファクトスタンダードのガイドラインに支えられた
フレームワークとかも当然知っているに違いない。羨ましいことです。
まあ、役に立たない訳ではないです。というか、人によっては部分的に役に立つことは多いでしょう。
ただ、困った点がいくつかありまして。
- その技術がどれほど信用に値するか説明しなければならないのに、「とにかく役に立つ」で終わらせている
- パソコンのツールは導入すれば即使いやすいかどうか分かるけど、身体的な技術はすぐには分からない
- この本ではフォトリーディングという手法を勧めているが、本当に学習コストに見合うのか説得力に欠ける
- フレームワークについては実証的なデファクトスタンダードのガイドラインがあるはずなのに、紹介がない
という、ビジネス書としては正直人に勧めにくい作りになっています。
上に書いた要約も、ひょっとしたら偏っていて、PMBOKとかQFDとかUSITとかTOCとか満遍なく体得すると、
「何でこの要素がないのか? 捨象したら駄目なところを捨象していないか?」となるんじゃないかしら。
(前提としてPMBOKとかQFDとかUSITとかTOCとか満遍なく体得しなくちゃいけないんだけど。いずれします)