ウルトラヘヴン(3)

ウルトラヘヴン』(3)isbn:4047261289
小池桂一のトリップ漫画。4年ぶりに出た。冨樫義博なんか目じゃないぜ!
ドラッグの売人でありユーザーであるカブは、ドラッグを通じて摩訶不思議な体験をしたり、死にかけたり、この巻では瞑想施設で摩訶不思議な体験をしたりする。
とにかく猛烈に絵が上手い。教科書的に上手いという側面と、トリップを描き切るという上手さがある。
あと、安易に宗教を神秘的・好意的に描かないところが好感が持てる。瞑想施設の共同幻想装置では、カビ臭い宗教寄りの人たちが、遊び回っている者を駆逐しようとするが、そういう人たちは結局上位管理者たちにザコ扱いされて逆に駆逐されてしまう。その上位管理者たちも管理者権限を振りかざしてドラッグの持ち込みを禁止しようとするが、カブの深層意識をつついた結果、カブの中に眠っていた強力な力に巻き込まれてしまう。じゃあカブの力がどれだけすごいかというと、カブの深層意識はトラウマとドラッグで出来ていて、別にありがたいもんじゃなかったりする。そういうリアルなドライさが読んでいて気持ちいい。
今入手しないとまた今後入手が難しくなる(年数のせいで)と思うので、興味をひかれた人は是非今のうちに入手してみてはいかがでしょうか。


ちなみに題名ですが、ヘヴンというのはカブのハンドルネームで、ウルトラというのは(以下ネタバレかつギャグなので略)
あと宗教描写はインド寄りです。シャクティとかクンダリニーとか出てくる。